海外からの植物(ぶどうの木)輸入方法 後編

余市登町にて昨日の夕方カッコウが鳴き始めました!別名種まき鳥と言われるカッコウ。これで遅霜の心配も無くなるので、露地への種まきできます。フライングではないことを祈ります 笑

 

話を本題に。ぶどうの木の輸入について後編をお届けします。

後編では①今回の輸入の流れと誤り②穂木で入れるべきか、接ぎ木苗で入れるべきか③輸入にかかる費用について書いていきたいと思います。

①今回の輸入の流れと誤りについて

前編で記載した通り、輸入したい品種を扱うナーセリーから輸出okをもらい、農水省の隔離圃場にて輸入の許可と100個体分の場所確保、輸入代行業者への依頼を済ませ、スタートは順調そのものでした。

しかし、問題が。ナーセリーの責任者が非常に親切な方で(そりゃ穂木100本で輸出してくれるだけで相当親切)、輸出に向け必要なUSDA発行のシロヘリクチブトゾウムシ、ピアス病の防疫検査証の取得(しかもピアス病は圃場での試験したことなかったらしく今回初めてとのこと)から輸出作業までしてくれたのでした。通常、未経験の検査はナーセリーから輸入代行業者に対象植物を送ってもらい、代行業者が外部検査機関に依頼して試験するのが普通なのですが、ここまでナーセリーがやってくれるなんて…。

ただ、これが落とし穴でした。

本来の流れは、圃場検査(ナーセリー)での検査合格→輸入代行業者によるUSDAからの防疫証明書発行→ナーセリーから輸入代行業者へ木の移送→輸入代行業者で検査証明書と内容物の差異の確認→日本へEMSで輸出→成田植物検疫所→つくば隔離圃場なのですが、ナーセリーが選択した輸送会社がUPSでした。UPSは植物の国際輸送は業務外の扱いで、日本にUPSを使って植物が入ってきた場合、輸出国へ強制送還、或いは滅却処分となります。本来はEMSを使います。更に小形包装物及び小包郵便物以外の郵便物又は信書で植物を輸入することは植物防疫法で禁止されているのでここにも注意が必要です!

UPSに植物入ってるわけないでしょ!という成田での勘違い(今回はこれに助けられました…)により東京まで荷物が移送され、東京税関で通関が切られ通常の宅配物として余市に来てしまいました。しかも、常温度帯で!これは以前記事にしましたね。ここから成田税関へ送り返す作業発生したわけですが、これで約1週間ロスしました。




そして成田税関の保税地域へ荷物を戻し、成田検疫所で箱を開けてもらったのですが、、、なんと101本穂木が入っていたのです!

検査証明書100本、内容物101本!!

当然NGです。輸出国へ強制送還or滅却処分、そして唯一助かる道として米国から101本での検査証明書を再発行し、原本を送ってもらうという3つの方法を検疫所から提示されました。ただでさえUPSを使って自宅まで届けられた、いわくつきブドウなので通常は有無を言わさず滅却処分とのことでした。

この時で10日間も過ぎていました…。もう一度、輸出からやり直してもらおうかと考えましたが、当然ナーセリー側には穂木がありません。このためだけに101本冷蔵帯で保管していてくれたものなので、これ以外は処分済だったのです。

速攻でナーセリーに掛け合い、101本での検査証の再発行をしたのは言うまでもありません。現在送ってもらっている最中で、明日くらいに成田検疫所に届くはずなんですが…。

このあと順調にいけば来週月曜には、つくば隔離圃場に穂木が届く予定となっております。米国出国が5月3日。途中常温帯での移送があったとすると芽が出ているかもしれません…。とにかく早く見てみないと!

とにかく、ナーセリーが親切でも、海外輸出の経験が浅ければ絶対に輸入代行業者に対応してもらうことをお勧めします。中身との相違の確認もできますしね!




 

②穂木で入れるべきか、接ぎ木苗で入れるべきか

悩みました。悩んだ挙句、穂木にしました。理由としては、接ぎ木苗の場合、根っこに土が付着していると滅却処分となります(根洗浄は当然してもらいますが、検査は厳しいです)航空貨物で土すらつけない接ぎ木苗を何日間も移送する勇気はありませんでした。根回りにはミズゴケ巻きますが、長時間水分を保ってくれません。更に今回のようなことは稀ではないと思います。そう考えると海外からの植物輸入は結構メンドイのです。今回、もし接ぎ木苗で輸入してたなら、すでに全てダメになっていたことでしょう。穂木にして正解でした。

ただ、デメリットもあります。それは隔離圃場では2年目の展葉で出てくる葉っぱで試験を行うということ。苗木より半年から1年長く待たなければなりません。まぁ、枯れるリスク考えれば、待つ方を選びますがね。

ちなみに平成29年5月26日からの法改正でアメリカからのブドウ輸入では、シロヘリクチブトゾウムシ、ピアス病、Eutypa lata、ミカンクロトゲコナジラミ以外にブドウオオハリセンチュウの項目が追加されます。接ぎ木苗はリスクと費用かさみますね…。




③輸入にかかる費用

個数 単価 合計
検疫証明書発行料金*1 1 $195.00 $195.00
検疫証明書申請代行手数料 1 $150.00 $150.00
商品代金 100 $1.00 $100.00
根洗浄費 *2 $3 x 100 100 $3.00 $300.00
弊社代行手数料 商品代金の15%(ミニマム$100) 1 $100.00 $100.00
国際送料*3 実費 1
銀行会社手数料 クレジット4% 1 $0.00 $0.00
注意: 合計 $845.00

上記が提示された金額です。

根洗浄が入っているので、これは接ぎ木苗用の価格ですが。今回は検疫証明書絡みについては全てナーセリーがやってくれたので安上がりになりました。

 

長くなりましたが、以上でアメリカからのブドウの木輸入について終わります。次回の輸入は早くても2年後ですが、次こそはスムーズに進めたいものですね!

きん

 

 

 

 

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