輸入ぶどう苗(穂木)の隔離圃場育成経過

先日所用で関東へ行く機会があり、つくばへ昨年輸入した苗木の経過観察と施肥をしてきました。

輸入時、穂木にカビが付着していたところから最初に置いた場所は一般の隔離施設ではなく、
完全隔離されたガラス室でした。その後、カビが問題のないものだったことから通常の隔離施設へ移動したとのこと。
落葉後、一芽剪定を依頼していたので写真のような状態でした。

2本植え付けたものは育成状況の良い片方を残して切っているため、1鉢に1本植わっている状態です。
この後、緑枝接ぎの検定と樹液接種などを行って来年3月あたりに晴れて余市へ持ってこられることになります。




周りでも輸入ぶどう苗(接ぎ苗や穂木)の隔離栽培が行われていました。
確認できたのはソービニオンブラン(穂木)とアルバリーニョ(接ぎ苗)。

ここ最近は輸入苗についての問い合わせも増えているよう。
ただ、国内に苗がないので輸入したいという問い合わせもある状況なのだとか。。
100個体/人・団体なので焼け石に水だとは思うけれど、そこまでないこの状況がいつまで続くのやら。
打開策として期待される民間施設での隔離圃場認可がスムーズに進んでくれることを祈るのみです。




これを見越してなのか植防でも検査法をより早く正確に行うため、緑枝接ぎでの樹皮剥離によるピッティング検査を止め、
PCRとエライザ法を採用する動きになってるんだとか。
これなら新品種やクローンを穂木を入れたい場合でも2年待たずても良くなるので、輸入者にとっては朗報です。

妙味に乏しい杭の話

非常に遅すぎる話ですが、来春植えるブドウの杭の選定をつい先日まで迷っていました。
本来なら12月くらいに決めておくと色々いいこともあるのですが…。

このあたりの垣根ブドウの栽培では大きく分けて3種類の杭が使われています。
1、木杭
2、単管加工した杭
3、某社の金属製柱

それぞれにメリットデメリットがあり、今の今まで逡巡していました。
◎メリット
1、木杭     ⇒釘を打つのみでワイヤーの支えが完成
          直径100mm程度なので、誘引が楽&葉が込み合わないため、主枝の芽数を調整しないで(短梢、長梢ok)
          薬剤の散布時に葉が込み合いかからないリスク軽減
          なんか垣根栽培してるって景観になるw
          道内カラマツΦ100mmで1040円/本(税抜き)、カナダ直輸入はもっと安いらしい
2、単管加工した杭⇒とにかく安い。2,5m新古品で600円/本
          腐らないので1度刺したらほぼ差し替え不要
3、某社金属柱  ⇒腐らないのは単管と同様
          切れ込みが既に入っているので、ワイヤーはかけるだけ(加工の必要全くなし)で楽

◎デメリット
1、木杭     ⇒腐るので、毎年一部での交換が発生
          防腐剤が色々あるので選択が少々面倒(※)
          自然物なのでいいものが当たるか確実性が他2つと比べると低い
          土中への打ち込み時に折れることあり
2、単管加工した杭⇒幅が狭いので、誘引が少々手間
          幅が狭いので、葉が込み合った場合、薬剤のかかりが悪くなる可能性がある
          主枝の芽数調整が必要なことがあり、樹勢が強くなる可能性があるため短梢向き
          加工に手間を食う(※※)
3、某社金属柱  ⇒幅は単管と変わらず、同様のデメリット
          高い。価格順だと2<1<3





木の防腐剤には何種類かあるが、販売先によって選択できるところと、これしかないとうところがある。
代表例では、
・クレオソート⇒3種類の中だと1番防腐能が高いらしい
        2010年に発がん性物質が発生、水へ溶出する可能があり一般家屋へ使用が禁止(毒性強)
        現状施されているものはそのような物質は除かれているそうだが、杭に関しては不明
        刺激臭あり
・マイトレック⇒主成分が銅化合物のため木材中に留まり、雨による溶出がなく防腐能低下が少ないらしい
        魚毒性判定A(圧倒的に低毒)
        VOCや環境ホルモン、発がん性物質を全く含まない
・レザック  ⇒第4級アンモニウム塩が主成分で低毒性らしいが、施してくれる施設は少なく割高
        加工後も無色




※※
一般的にはボール盤で5つ穴をあけ、そこに8♯針金を加工した引っかけを通す
金属板をサドル、あるいはU字ボルトで固定するタイプもあるが、1本で5つ必要なのでこちらは割高

色々な方にお話を伺い、値段とかかる時間を天秤にかけ、単管と木で迷った。
が、最終的にマイトレックの木杭になりそう。というかそれに決めました。
5月に打ち込めればイイが果たして…。