2019vt瓶詰完了しました

先日10Rにて2019vtの赤(ツヴァイゲルト)の瓶詰を終えました。
1樽分だけだったので300本というキリの良い数字。
ワインについての説明は新たに作成しているHPに掲載予定なのでここでは詳細を省略します。
色合いは淡いルビーくらい。ツヴァイの赤の割に優しい色合いです。
公にはリリースできる数ではないのでイベント時や飲食店さんを中心に出していこうかなと考えています。
安定的に数を出せるのはおそらく2021vt~と思っています。

グリューナーの新しいクローンが来ます

イタリアから輸入したグリューナー・フェルトリーナの新しいクローンが検査に合格し、来春から畑に入ることが決まりました。
それにしてもピノグリウイルスが酷い…

1本あたりの値段は怖くて計算したくありませんね。
それ以外の労力(色々お手伝いしていただいたものとか含め)考えると、ここまで思い入れないとやってられないです。
グリューナ熱は生半可ではありません。じきの畑にあるグリューナのクローン数はこれで5つ。
日本では一番多いと思います。
長かったです。合法的に色んな地域から輸入し、隔離圃場へ出し、、、ここに来るまで6年間かかりました。
今後これらの適不適を見極めながら増やします。
昨年の収穫(ドイツ系クローン、クロスターノイブルク系クローン)の感じだと個人的には相当に期待しています。
収量・病気への耐性、味、風味どれをとってもいいのでは?と思います。

大好きなニコライホーフ、ヒルシュのGV。
憧れだけに留まらないようやっていきます!

羊の飼育 出産と越冬を目前に思うこと

登醸造の小西さんからの勧めで2018年の夏から飼い始めた羊。
現在2年目の越冬を目前に準備を進めています。

じきの畑には積丹生まれのレミ(1歳)と十勝生まれのパン(1歳)・ゴマ(0歳)の3頭の純血サフォーク(雌)がいます。

9月末から1か月間、積丹の牧場に預け、レミとパンにテクセル種を交配させました。来年2月末に出産予定です。
今回テクセルと合わせたのは肉質や肉量というより種としての強さが欲しかったためです。
そのために同品種での交雑ではなく、他品種と合わせたかったという気持ちが強いのです。同じ羊であっても血が濃くなればなるほど、種としての存続に陰りがみえるように感じます。品種に跨って交雑した家畜や家禽(いわゆる雑種)は選抜育種した個体と比較し、疾病への罹患率が低い(罹っても重篤化しにくい)気がします。純血の猫や犬などを見ていても同じだと思います。
選抜育種した経済動物は畜肉量増加や採卵率上昇が見込め、人間にとってありがたいことも多いです。が、血が濃くなればなるほど気性難だったり病気に弱くなったりと、精神的・身体的に虚弱性が高まる気がするのです。「じき」では羊を利益を生むための家畜として飼うことは目的とはせず、羊糞利用や景観形成、そしてじきのワインを形作るパーツの一つとして考えているため、敢えて理想の形としての羊肉生産をしていこうと思ったのです。
ある意味で趣味の範疇での飼育です。
なので、
①生産する羊肉はじきの畑で生まれた個体であり、母親もじきの畑で伸び伸び生活している個体にする
②かけ合わせるのは異なる品種にする
③春夏秋の飼料はじきの畑の雑草のみ。冬場の飼料は全て道産(屑小麦、ビートパルプ、米ぬか、乾草)を利用
とぼんやりですが、大きく3つ方針を定めています。
じきの畑で紡ぎだされた命をいただく。
じきの畑の循環から少しだけ恵みをいただく。
じきの食卓を彩る食材は可能な限り自らの土地で紡ぎだしたもの、或いは自らの力で取ったもので揃えています。
野菜を栽培し、果樹を栽培し、ワインを醸造し、肉は廃鶏とエゾシカで賄っています。そこに新たに来年から羊肉が加わります。
この羊肉は自家消費だけでなく、ご希望いただける飲食店さんがあればワインと併せて販売していこうとも思っています。

以前投稿したように始まりから終わりがこの場所(地域)で完結した食べ物を体に取り入れる、そんな理想を体現できる場所を作っていけるよう今後もやっていこうと考えています。

2020年ヴィンテージの仕込みが無事終わりました

今年はピノの収量がグンと伸び、仕込み時期が9月末から11月一杯と4年間で最も長いシーズン。
ピリッとした雰囲気は過去3年より強めだったけど、居心地は良かった。

学びも多かったし、試してみたいことも増えた。知識も作業スキルも伸びたと思う。
ただ、まだまだなのも改めてよく分かった。これからも頑張っていきたい。
取り敢えず今は冬支度と剪定を終わらせないとと焦りつつ日々を過ごしている。もう余市は根雪かもな…

今回仕込んだ白も赤も順調にbrixが下がり、赤は先日樽へ移動した。
この子たちが日の目を見るのは早くても10か月以上先だが、今から楽しみである。

2019Vtの赤は来月瓶詰めし、3月リリースを目指している。

今回は数が圧倒的に少なく(ブルゴーニュ樽1つだけ)なので卸への販売はないが、今後収量を伸ばしていければ卸の免許も取れればと考えている。

ボルドー液の銅量について

色々な農薬会社から色々なボルドー液が出ています。
有機志向の醸造用葡萄栽培家の多くがボルドー液を使用していると思います。
更に言うと、フランスに倣って畑に散布する銅の量についても気にしている方も多いです。

口頭では、何となくや見た目的にどうのこうの言っている節が多く見受けられるため、今回各社の出しているボルドー液を推奨している最低希釈倍率で1000L散布した時の銅量を調べてみました。
驚いたところと、まぁそうかなと思ったところがあるので参考にしていただければ。

※1000L薬液を造るとして※
ICボルドー66D  銅含有量3.7% 最低希釈100倍  薬剤10000g⇒銅量370g
ICボルドー48Q  銅含有量2.5% 最低希釈50倍   薬剤20000g⇒銅量500g
Zボルドー    銅含有量32%  最低希釈800倍  薬剤1250g⇒銅量400g
園芸ボルドー  銅含有量35%  最低希釈800倍  薬剤1250g⇒銅量437.5g
サンボルドー  銅含有量44%  最低希釈600倍  薬剤1666g⇒銅量733.04g
ムッシュボルドー銅含有量40%  最低希釈500倍  薬剤2000g⇒銅量800g
コサイド3000  銅含有量30%  最低希釈2000倍  薬剤500g⇒銅量150g

これを見ていただくとわかりますが、コサイドが銅量としてはとても少ないです。
他薬剤と違うのは、銅としてではなく水酸化第二銅としてなので2000倍希釈という倍率でも効果があるんでしょう。

もっと驚いたことはICボルドーです。
このボルドー液、謎の展着剤が入っているとのうわさもありますが、石灰が白く残ることから見た目的に銅の量スゲーんじゃねえの???って思われている気がします。
でも実はそんなことはないのが分かります。
更に銅量を気にする農家は48Qを好んでいるイメージでしたが、希釈倍率を製造メーカーの推奨値に合わせると、66Dの方が少なく済みます。

使用を考えると極端に銅量の多いサン、ムッシュは省いて、薬害の出やすい園芸(過去幼木にて薬害発生。クレフノン使う方が無難)も避けるとなるとZ、IC66D、コサイドの使用に絞られるかなと思います。
雨量計を作製しているので、残効ギリギリを攻めつつボルドー散布を今後も続けるつもりです。

あ、あと魚毒性を心配する方もいますので(銅は鉱毒事件でも多く出てくるからかな??)下記調べました。
どれもこれも魚毒性Bと結構な毒性です。IC412は魚毒性Aですが葡萄は適用外ですね…。
ICボルドー66D⇒魚毒性B
ICボルドー48Q⇒魚毒性B
Zボルドー⇒魚毒性B
園芸ボルドー⇒魚毒性B
サンボルドー⇒見つけられず
ムッシュボルドー⇒魚毒性B
コサイド3000⇒魚毒性B

因みに滋賀県は琵琶湖を抱えているので、ずいぶん以前からボルドーは使用禁止です。

海外ではベト対策可能なBTの開発もされつつあるようです。
ボルドーには頼るしかない部分はありますが、新たなものの開発も期待するところです。

日々考えるお客さんへの情報の透明性と伝達方法

モノづくりをする人間として、それを購入・消費してくれる方たちに真摯に向き合うことは非常に重要なことと思います。

翻って、その方たちがミスリードする可能性のある宣伝文句を謳うことは絶対にしないと決めています。

耳障りの良い文言。「これから~をやります」的なことがメディアに取り上げられると一般の方はすでにそのお店がそれを始めていると自身の中で換言し、記憶が上書きされるイメージがあります。
それを言うのであれば、最低でも期間・期限を併せて「~までにやる」と伝えては?と思います。
私自身、一般の方から過去に事実と異なることを「●●農園って~なんですよね?」と聞かれ、「まぁ、そうなんではないですか」と返答としたことが何度かあります。
ミスリードすることはお客さんの責任で、自分たちは関係ない。
そんなイメージが世間一般にあまりにも多い気がします。
特に食品関係。
同業者は気づいていてもお客さんは気づいていない。
上っ面の耳障りの良い宣伝。現実はそれとは異なる事実。
お客さんは気にしていない(最初から最後まで知らなければ特に問題はないのか…)レベルなのかもしれませんが、私にはミスリードを誘うような中途半端な文言を使うことに違和感しかありません。
旅行雑誌の食べ物特集など見ると辟易するくらいそのような文言が多いです。
「努力しています」「今後やる予定です」
私には販促のための軽いワードにしか見えません。
もうお腹一杯です。
可能なら現在進行形の形で発言してほしい。
出来ていない、やれもしないことを殊更に宣伝するようなことは絶対にしないと日々思っています。

最近悶々とあれやこれや色々考えることが多いです。

輸入を通して初めて知った葡萄のウイルスについて

4年前からワインブドウの個人輸入を始め、今までに計3回に分けて苗を入れました。

1年目にアメリカワシントン州から入れた苗(穂木)は100個体すべてに異常はなく、隔離圃場を通過しました。

しかし、2年目と昨年イタリアから入れた個体は相当な確率でピノグリウイルスに罹患しており、隔離圃場で焼却処分にあってしまいました。

※2016年アメリカから輸入、2017年、2018年検査⇒100個体中、0個体にてウイルス検出(合格100%)
※2018年イタリアから輸入、2019年検査⇒50個体中、40個体にてウイルス検出(合格20%)
※2019年イタリアから輸入、2020年検査⇒25個体中、21個体にてウイルス検出(合格16%)

ヨーロッパ他地域の状況を聞く限り、フランス・スペインなども相当ひどいようです。
今回は3万円/本くらいです。そこまで惚れ込んでやりたい品種なら別ですが、ヨーロッパからの輸入は全くお勧めしません。
検査の結果「0本」になる可能性だって大いにあるのですから。
だから輸入した品種を軽い感じで分けて欲しいとか言われると「なんて仰いましたか????」と思ってしまうのです。
すみません。
ま、こんなことになってしまうため、ヨーロッパのナーセリーは日本にさらに出したがらなくなります(お互いに問題ありますが…)
数量制限、検査項目の多さ、隔離圃場での時間、価格etc…色々あった上で最後に焼却処分…。
あまりに悲しくてやってられません。
協力してくれた方にも申し訳なくて今回の結果(2019年輸入分)は連絡していません。
ご本人ももう辞めると話されていました…。

どうしてこうもヨーロッパとアメリカで結果が異なるのか。ENTAVとFPSの違いなのか?
ヨーロッパはウイルスに罹患していても結果は大差ないとの見解のようです。
モンティーユの関係者コメントを聞く限りそのようです(だからフランスから大量に苗を入れろ、と)
一方、農林水産省は立場上引っかかった個体はすべて弾く姿勢を全く崩さず、緩和する動きを見せません。
日本には未だかつてウイルス罹患個体は入っていないという見解なので、それを崩すことはできないという立場です。
実際はトランクで持ってきている人たちがいるので入ってきているし、PCR検査などを行う前に入ってきた個体は罹患していた可能性は大いにあるんですけどね。
たた立場上、それは認められないというのもわからなくないです。

そんな葡萄のウイルスの話を今晩JVAのzoom会議で聞けるということなので今から楽しみです。